盾のような丸みを帯びたパラソルの展示は、金属的な光を反射していた。遠くの方には、忍び寄る影の向こうに、遠くかすんで輝いている売場があり、金色の夕日を浴びた群集がうごめいていた。そしてこの閉店前の時間、加熱した空気のただなかで、女性たちが君臨していた。彼女たちはデパートを襲撃し、侵人した部族が征服した土地にいるようにそこに野営し、散乱する商品のただなかに居座っていた。女性はこの消費の楽園の「女王」であり、デパートは消費の「神殿」である。まさしく神殿は「世俗化」し、目もあやに商品の群舞となって、女性の欲望をあおりたててゆく。巧みなディスプレイから広告戦略、さらにはバーゲンの誘惑まで、ゾラが描いた消費の世界は今もそのまま生き続けているといってよいだろう。
香水をさりげなく上手につけられるようになって初めて大人の女性と言われます。では、どういった香りがさりげないのか、どういう選び方をしたらいいのか、具体的にお話ししましょう。私は二十歳の頃から背伸びしてシャネルのNO.5をつけ、「香りがきつすぎる」などと顰蹙を買ったこともありました。「香水は難しい」と言うのは、若い頃に香水で失敗してきた経験があるからです。けれど、つけすぎたり、イメージに合わない香水をつけたりして失敗するのは、自分の香りが見つかるまでは什方のないことかもしれません。デパートの香水売り場などでは、紙のチップに香水をしみ込ませ、香りを試させてくれます。でも、香りは紙の質によっても変わりますし、空気でも微妙に変わってきます。もちろん、外の気候によっても違います。そもそも湿度の高い日本は、本来香水向きの風土ではないかもしれません。
歴代の007が、紺のブレザーを船上やミーティングの際、あるいは街で身につけたという事実は、紺のブレザーがいかにファッショナブルかを物語る。どこで身につけても許されるのが、ブレザージャケットなのである。ブレザースタイルのコーディネイトについては、ファッション誌が始終とりあげているので、ここではクラシックカジュアル、つまりカジュアルフライデイに向いたコーディネイトの要点だけ述べておく。ただし、これは私の独断、かつイタリア的発想によるものだ。イタリア的コーディネイトを挙げる理由は、ブレザーがインフォーマル性とフォーマル性をそなえた危ない(誤解されやすい)ウェアで、英国スタイルではフォーマル性が強すぎ、アメリカスタイルではインフォーマルになりがちだからだ。現在の日本の流れからみれば、オフィスでのカジュアルは、イタリア的発想がいちばん適っている。