主要生命保険が業績の低迷に苦しんでいるなかで、富国生命だけは個人保険の保有契約高を何とか伸ばし続けている。富国生命は今でこそ主要生命保険一〇社の一角を占めているが、保有契約の市場シェアは二%台後半と決して大きくない。総資産は四一七兆円と日本生命の九分の一にすぎない。大手生命保険と同様に、女性営業職員が死亡保障を中心にしたパッケージ商品を販売しており、他社との明確なビジネスモデルの違いは見られない。なぜ、富国生命だけが保有契約を減らさずにいるのだろうか。
[参考サイト]
定期死亡保険 | 定期死亡保険を徹底比較 | 生命保険比較の保険市場
http://www.hokende.com/static/life/big_sleep/term/
>> 定期保険について
富国生命は「保有純増主義」を基本方針にしている。保有契約を増やすには、新契約を増やすばかりでなく、解約失効契約を抑えることが必要だ。大手生命保険はこれまで「いかに新契約を獲付するか」にエネルギーを費やしてきた。販売組織の拡大に動くのも、新契約を増やそうという意味が大きい。これに対し、富国生命は質の高い契約の獲得と、契約後のアフターフォローに力を注いできた。中堅の富国生命が大手並みの収益を上げるには、効果的な事業運営に加え、一度獲得した契約を失わないことが重要という判断からだ。近年は各社とも「保有純増」を経営の柱に掲げているが、富国生命の「保有純増主義」は実に一九七〇年代から続いている。バブル期に他の中堅生命保険が貯蓄性商品による規模拡大に走っても、富国生命は規模より収益を重視してきた。顧客に納得して加入してもらい、契約後も営業職員が継続的に対応するという、一見当たり前のようなことを全社で徹底して行うのが富国生命の経営スタイルなのである。